車を運転出来ない私は…………

先生を病院に運ぶことが出来ない。

辛そうな先生を横目に途方にくれていたら

「先生、送ろうか?」と声をかけてくれた咲ちゃん。

「でも………咲ちゃんにうつったら…………。」

嬉しい誘いだけど、咲ちゃんにリスクがあると心配すると

「ねぇ、唯先生。
私が今日、何の当番だったか覚えてますか?」って。

えっと……………。

あぁ!

大型バスだ!!

先生のバスの当番だった。

「思い出した?
狭いバスの中で、インフル菌はいっぱいもらってるんですよ。
今更、車で送っても問題ないです。」

彩ちゃんのことで色々あって

ずっとずっと、元気のなかった咲ちゃん。

心配していても、原因の一つだった私が何か言うのもって………

中々声をかけられないでいた。

落ち込みが酷い時もあったけど

最近、ちょっとずつ元気になって

初めの頃のような、刺々しさもなくなってるの。

付き合いやすくなって

やっと年少組二人で力を合わせて、子供たちと向き合ってる。

もしかしたら…………

唯が先生と出逢ったように、咲ちゃんも心を許せる人に出逢ったのかも。

そうだったら良いなぁ。