──────うっ、 久しぶりに見たような顔だ。 こんな風に見つめられると…… 「………奏多……」 ボソッと私は聞こえるか、聞こえないか、くらいの小さな声で呼ぶ。 奏多くんは、意地悪く笑って 「雪乃さん…… そんな大きさじゃ、聞こえませんよ?」 「………っ、奏多、奏多!!」 私は今度は、聞こえるように大きな声で名前を呼んだ。 奏多くんの顔はほんのり、赤くなっていく…… 「………っ!」 その瞬間────── 私の目は奏多くんの手によって塞がれた。