奏多くんは何も言わず、じっと何かを耐えるかのように、手をギュッと握り締めているのがわかる。 ─────そうだよね…… 嘘ついて、奏多くんの気持ちを無視したんだから、怒って当然のこと でも、私はそのまま……話を続ける。 「そして───── 2つは………自分の気持ち 私……自分の気持ちに嘘ついてたの。 本当はね………」 少し間をあけて、深呼吸をしてから、奏多くんの目を見てはっきりと…… 「─────好き! 奏多くんのことが好きだって気づかないフリをしていたのが、2つ目の嘘……」