────えっ、今……好きって 「返事は分かってるので返さなくていいです ただ……… 俺の気持ちを知って欲しかっただけなので……」 奏多くんはパッと抱きしめる腕を緩めて、今度こそ私から離れる 「奏多く……」 私の言葉を遮るように…… 「すみません…… 今日はさすがに送れないので、気をつけて帰って下さいね」 少し吹っ切れたような 複雑な表情をして、奏多くんは微笑んでから 大きく手を振って そのまま振り返ることはなく、私とは逆方向に向かっていった……