その声の持ち主が誰なのか分かってる…… だけど……… 今は会いたくない──── その反動で私は走り出していた でも──── 現役の高校生ましてや、サッカー部の男の子に速さで勝てるわけもなく…… 「はっ、はっ、はっ、やっと追いついた」 後ろから私は、腕をギュッと掴まれる 振り返ると…… 少し息を切らした奏多くんがいる お互いに少し息を切らしながら、見つめること数秒…… 少し悲しそうな顔をして 「どうして……逃げたりするんですか?」 「別に逃げてたわけじゃ……」