どう見ても作り笑顔を浮かべて 私に気を遣わせないように、いつも通り奏多くんは振舞っていたって分かっていたのに…… 何にも言えなかった…… こんなんだから、 元彼とも長続きしないんだろうなぁー ────今更…… 自分の悪い所を再確認するなんて 「あのっ!!」 不意に声をかけられ、私は声のする方に振り向く 「あっ……」 「突然、引き止めちゃってすみません! 少しお時間、大丈夫ですか?」 「あっ、はい」