「「…………」」 しばらく、沈黙が流れる 痺れを切らしたかのように、奏多くんが 「あの…… それで、雪乃さんはどうして……」 ─────あっ! そうだった、肝心なこと伝えてない でも、いざ言おうと思うと言葉が出てこない ただ……… 一言、伝えるだけなのに 「雪乃さん…… 言ったじゃないですか」 「えっ?」 「俺には、遠慮しないで下さいって、ね?」 優しい笑みを浮かべて私を見つめてくる ─────映画館の時と同じだ……