「えっ、参考書って俺にですか?!」
「うん、そうなんだけど……いらないよね、ごめん!」
「いえ、むしろ逆です!ありがとうございます!」
ニコッと笑いながら嬉しそうに言われると………
可愛いかもしれない
「そ、それは、良かった!」
私は、少し赤くなった顔を隠すかのようにチラっと腕時計を見る。
私は話題を変えるように……
「あ、もうそろそろ………カフェに行かない?」
「そうすね、行きましょうか!」
そう言うなり、奏多くんはさり気なく私の荷物を持って歩き出す。
「えっ、持ってもらわなくても大丈夫だよ!!」
先を歩く奏多くんの背中に呼びかけるけど……
「いえ、持たせて下さい。これでも、男なんですから」

