私は、慌てて首を振る。
「ううん、私が少し早く来すぎただけだから」
って………
これじゃぁ、まるで私が楽しみにしてて早く来ちゃったみたいじゃない!
「そうだったんですね、実は……俺も少し早く来すぎたと思ってたんですよね。」
奏多くんは、私に微笑みながら言った。
──────ドキっ
ないないない、ときめくとかありえない!
「あの、ところで、何を探してたんですか?」
奏多くんは、不思議そうに首を傾げている。
「それは……参考書持ってきたか確認してて、役立つか分からないけど、私が使ってた参考書が残ってたから持ってきたんだけど……」

