「知ってるよ……水穂野に何か言われたんでしょ?」


─────何で、瑠生くんが……

そのことを知ってるの?


「りあちゃんと別れた後……
劇のリハーサルがあったんだけど、途中さ、水穂野の姿が無くて、もしかしてって思ってたんだ。
そしたら……りあちゃんは、劇の途中で帰っちゃうし」


劇の途中で帰ったの瑠生くんからも、見えてたんだ。


「それで、劇が終わって水穂野に聞いてみたら、りあちゃんに会ったって言うから……りあちゃん、何か言われたんじゃないかって思って、りあちゃんを探しに来たんだよ」


瑠生くんは、そう言うと…………

私を抱き締める腕を緩めて、私をくるっと瑠生くんの方に向かせられる。