そして─────

その王子役を瑠生くんが演じていた


姫役は─────

「………っ!水穂野さんだ」

少しだけと思ってても、私は劇に夢中になっていて…………

いつしか…………
物語はクライマックスを迎える。


『姫……僕は、ずっと貴女の事が好きでした!初めて会った時から─────』


『王子……私もよ』


そして、2人はきつく抱き締め合って………

「…………っ!」


私はこれ以上………
2人の姿を見て居られなくなって、その場から逃げるように…………


────飛び出していた。