心配…してくれたんだ。 「あれ?綾ちゃんは?」 「綾は今日はピアノのレッスン。」 「へぇ~。 ってか夏姫、夜道を1人で帰るのは危ねぇよ。一応、女の子なんだし?」 「“一応”って何よ!!」 「ははっ。」 そう言って拓也は、いつもみたいに顔をくしゃっとさせて笑った。 真っ暗な道を、拓也と2人だけで帰る。 空を見上げると、まん丸のお月さまが、私達だけを照らしていた。 もし……もしも拓也と付き合えたら、こんな風に毎日一緒に帰れるのかな。