「せんせぇ―っ」

あんなに元気だったのに。あんなに笑ってたのに。いっぱいキスしたのに。

今は、何もできない。


「麻結ちゃん。行こっか」

みんなの気遣いで、私も火葬場へ連れてってもらった。

バスの中で、誰一人として、しゃべることはなかった。

「麻結ちゃん」

せんせぇのお母さんが言った。

「現実と向き合ってね」