パタン… ドアが静かに閉まる音が聞こえた。 「せんせぇ、ごめん。帰るね」 「あ、あぁ。送っていく」 「一人で帰るよ」 「そうか。ごめんな」 「うん」 私は、せんせぇを見ないように資料室から出ていった。 「せんせぇ。ごめん…」 ごめん…。 私は、どうしたらいいんだろう―――――? キラキラ光る指輪を見つめた。