テーブルの周りでくつろいでおしゃべりしていた二次会出席者たちの視線がカフェ入り口に向いた。

早坂は長身の身を屈めるようにしながら足早にテーブルの須田のそばに来た。



須田は椅子を引いて来て、早坂を側に座らせて言った。

「まあ、たまにはゆっくりしてくれ…。皆さん、僕の北海道支社にいた時のほんのわずかの間の同僚だった早坂くんです、よろしく」



「あ、そうですね。お二人は同じ支社にいたことがあるんだ」

その座にいた人々は納得した顔をした。




亜矢と島田美香の同僚である、派遣社員の神崎春菜が興味深げに聞いた。

「あのう、お二人は北海道支社ではどんな感じだったんですか」

この質問は他の女子社員も聞きたがっていたことだった。

本当は早坂だけに向けたものだったが、ちょうど既婚の須田が一緒にいるおかげで聞きやすくなったのだ。