管理職や重役クラスも出席した歓迎会の一次会とは違い、二次会はもっと気楽な雰囲気になった。



「この三ヶ月で本社に転勤になった人が係長クラス以下でも6人もいらっしゃったんですね。皆さんはどのような経緯で?」

二次会に出席したのはそれほど多くなかったので、カフェの三つのテーブルをくっつけて全員が集まれるようにした。

島田美香が自然とその場をリードするように話を転勤して来た人々に向けた。




「僕は北海道支社でスタートしました。親の希望もあり、地元に就職したんです。本社に来る機会ができたので、やってみようかと」

須田という30歳前くらいの社員が言った。

他の社員は名古屋、大阪、福岡などだった。




紅一点の女性転勤者として亜矢も自己紹介しようとした時だった。先ほど自己紹介したばかりの須田が、カフェの入り口を見て言った。

「おう、早坂。もうお偉方の相手から解放されたのかい?」