歓迎会の日になった。

亜矢は歓迎される立場であり、その日の注目を集める一人となった。


会場は大きな部屋で、丸テーブルがいくつも置かれ、席は自由だったので亜矢は気の知れた同僚たちと同じテーブルに座った。



食事がほぼ終わると人々は席を立ち、入れ替わる人々もいた。食べるのが終わったので人々はそれぞれの最近の様子を話す方に集中し、座はとてもにぎやかになった。

「茅原さんですね、XX事業部の者です。ようこそいらっしゃいました」

別の部署の課長や係長クラスの人々が入れ替わり立ち替わり挨拶をしにくるので、亜矢は内心驚いた。

亜矢の同僚はそれを笑顔で見ている。

「期待されてるねっ!」

島田美香はポンッと亜矢の肩を軽く叩いた。




その時、何気なく振り向いた亜矢はハッとした。

人々が立ち歩き、ざわめく中、数人が部屋の隅で立ち話をしていた。笑顔の男性たちのうちの一人は早坂だった。