冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




二人で改札を通り、外を歩く。



さっきまで腕を掴まれていたはずなのに、いつのまにか手を握られていた。



だけど抵抗しようとも、離そうとも思わなかったのはきっと弱ってるから。



心が冷たい。



「……なんか、ごめんね。
楠木に恥ずかしいところ聞かれたな」



あの二人の話を聞いて、楠木は幻滅したかもしれない。



別にそれでもいいのだけど、沈黙がどこか気まずくて口を開く私。



「でも辞めて逃げたのは事実なんだし、あんな風に思われて当然だよね。


ごめん、なんか気を遣わせて」



頑張って笑顔を取り繕うけど、楠木は真剣な表情で、強い視線を私に向けてきた。



「……本音は?」
「え…?」



「本音、全部言えよ」



ぎゅっと力強く手を握られ、心が揺らぐ。