「何してんだよ」
「自分の目を覚まさせてる」
「は？」
笑顔から一転、怪訝そうな表情に変わる楠木。
「変なやつだな」
「あんたよりマシ」
どうしても楠木にだけ当たりが強くなってしまうのだけど、仕方ない。
それなのにどうして楠木はイライラしないんだろう。
もしかしてM…！？
いや、そんなわけないよね。
だってこいつ強引だし、私の意見ガン無視だし。
本当に楠木とは合わない。
その後は特に話すこともなく駅へと着いた。
そこまでは良かったのだけど…。
「……げっ」
時間帯も夕方のため、電車には多くの人が乗っていた。
満員電車とまではいかなかったけど、座れないしそれほど余裕もない。
