なんか悪いことしたな。
渡されたプリントを見つめながら、罪悪感がだんだんと湧いてきた。
「ごめんね?
あの、これからは私が全部するから!」
申し訳ないから、あと残りの仕事は全部私がやろうと思った。
「別にそこまでする必要ねぇだろ」
「いや、いいの。
第一あんたに恩があるとか嫌だから」
楠木に恩があるなんて、そんなの私が許せない。
「お前って…俺のこと嫌いすぎ」
そんな私の言葉を聞いて、呆れたようにため息をつく楠木。
「だって事実だし」
「なんでそこまで嫌うわけ?」
理由を聞かれ、思わずギクリとした。
理由、といえばただ一つ。
だけどそれは私の嫉妬。
それを言ってしまえば自分の醜さを改めて思い知らされそうで、口にすることなんてできない。



