「…ん……」
ゆっくりと目を開けると、頭に重みを感じた。
だけど嫌じゃなくて、むしろ気持ちいい。
まだぼんやりとする中、頭を撫でられているのだと気づく。
誰だろう…斗真?
ああ、違う。
私はさっきまで夢をみてたんだ。
何いつまでも引きずってるんだろう、バカらしい。
机に伏して寝ていたらしく、ふと横を向けばそこには……。
「……っ、きゃああ!?」
全然女の子らしくない声をあげ、急いで上体を起こす。
だ、だって視界に映ったのはなんとあの楠木だったからだ。
待ってこれも夢…!?
わけがわからなくて呆然と楠木を見つめる。
「うるせぇな、お前」
「そ、そんなのあんたが…!」
…ちょっと待って。
じゃあ起きた時、私の頭を撫でてたのはもしかして…楠木!?



