次の日、昨日のせいであまり眠れなかった私は重い体で学校に向かう。
昨日のことを思い出すけどやっぱり現実だと信じられなくて。
夢なんじゃないかってまだ信じている自分がいた。
駅に着いて学校へと向かう。
楠木と同じ駅じゃなくて本当に救われた。
駅のホームで会ってしまったら気まずいところだった。
楠木は一つ後の駅のおかげで、会うこともない。
「…はぁ」
自然と溢れるため息。
今のでもう何回目だろう。
昨日の楠木は楠木じゃなかった。
別人だ、あれは。
もしかして熱でもあった、とか…?
それでも昨日のことは許せるわけじゃない。
いきなり迫られてキスしてくるし、私のことバカにしてくるし。
思い出しただけでもイライラする。
それに私を彼女にしたい?
思ってないことをよく言えたもんだ。
絶対に私は楠木の彼女になんかならない。
そう思いながら私は学校へと向かった。
幸い、今日は同じ電車じゃなかったらしく楠木と会うことはなかった。