しばらくホームで立ち止まっていると、彼は階段を下りたため、完全に姿が見えなくなった。



それを確認してから私も歩き出す。



彼が嫌いな理由は何かって聞かれたら、それは単なる自分の醜い嫉妬だ。



わかってる、どれほど自分が小さい人間かって。



それでも私は彼が大嫌いだった。
なんでも持っている彼が羨ましくてならない。



別に私が彼のこと嫌いだからって、ほとんど話したこともないし高校に入ってからは同じクラスだというのに一言も言葉を交わしていない。



そう、彼と私は中学の時同じ学校だったのだ。



その時もあまり話したことはなかったが、同じバスケ部ということで一度彼にバスケを教えてもらったことがあるし、心から彼を尊敬していた。



だって彼は本当にバスケが上手かったから。