冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。





私一人苛立って、楠木は余裕そうにまた笑ってる。



こいつは二重人格かってくらい、楽しそうに笑っていた。



「…なぁ」



そろそろ私に触れてくる手を今度は振り払おうかと思っていたその時。



楠木はまた口を開いた。



「お前ってさ、斗真とどこまでやったんだ?」



その言葉は、私の頭を一瞬で真っ白にさせて。
理解に時間を要す。



私の知る中で斗真という名前の人は一人しか知らない。



“本庄 斗真(ほんじょう とうま)”
私の元彼である人のことだ。



どうしてそんなことを聞くのか。
からかい半分なのか。



私にはわからなかったけど、できるだけ思い出したくない昔のことを掘り返してくるなんて。



そういう人だとは思ってなかった。



昔の傷をえぐるような、そんなひどいことをするような人だなんて。



本人はそういうつもりがなくても、私にはそうとしか思えなかった。



だって絶対知ってるはずだ。
私と斗真が恋人同士で、別れたことも。



同じバスケ部なんだから、何処よりも早く情報は届いていたはずなのに。



そんなこと気にならないくらい、バスケに夢中だったってこと?