体育館の扉の前で、大きく深呼吸をする。
落ち着いたところで扉を開けた。



大きな音が鳴り、体育館の中にいた人たちがこちらに視線を向けた。



「来てくれたか」



体育館の半面には女子がいて、奥には男子がいる。



私はもちろん女子側で、一人の先生が私の元へとやってきた。



「みんな集まって!」



その先生が体育館に向かって声を出し、半面にいた女子が全員私を囲うようにしてやってくる。



大丈夫、緊張するけどここまできたらもう逃げられないから。



私らしく…そう、私らしくいくんだ。



少し息を整えてから、私は口を開く。



「今日から女子バスケットボール部に入部することになりました、田城恵美です。


これからチームに貢献できるよう、頑張るのでよろしくお願いします!」



はっきりと話し、みんなに意思を伝えた。



私はもう一度、やり直そうと思う。
それこそ最初から。



でも私は一人じゃない。
秀哉がいる。



だから私は、秀哉と二人で……もう一度初めからスタートし直すんだ。





END