冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




「……斗真から聞いたのか?」
「うん、そうだよ…」



「あいつ、余計なこと言い過ぎ」
「余計なことじゃない…」



私、知らなかった。
そんなこと一つも。



「けど結局は出たからな」
「でも辞退するのって、簡単なことじゃない、から…」



どうしてそこまで楠木は真っ直ぐなんだろう。
眩しくもあり、温かい。



「楠木…」
「……どうした?」



「バカ…」
「は?」



「楠木のバカ…私のためになんでそこまでするの…」



せっかく泣き止んだのに、また涙が滲んでしまう。



「……お前を除け者にしたバスケ部に、あれ以上いたいと思わなかっただけ。


バスケって、チームプレーなのに。
誰も助けようとしない。


そんなチームも俺も嫌だったから」



だからって、大好きなはずのバスケを捨てようとした楠木はきっと…相当な思いを要したはず。