思わず斗真を見上げれば、その笑顔は澄んでいた。
何故だかその時…安心感が広まったんだ。
ああ、もう大丈夫だと。
斗真が斗真に戻ったんだって思った。
つられて私も笑う。
これも自然に笑えた、心からの笑顔。
「じゃあ俺、もう行くね」
「……うん、文化祭楽しんで」
「ありがとう。
……また、いつかこうして恵美と話したいな。
何年先でもいいから」
その言葉に下心はなく、純粋な言葉だと素直に思った。
「……うん、私もまた斗真と話したい」
その時はもう、過去の思い出話ができるように。
斗真が私に背中を向ける。
これでもう、終わった。
曖昧だった思いを全部、断ち切れた。
斗真もまた、そうであってほしい。
今度こそ、前に向けるように……。



