冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




「そうだよ。
あの時の秀哉も堂々としてた。


『こんなチームでバスケなんかしたくない』ってはっきり言い切ったんだ。


俺、その時秀哉の気持ちなんて全然わからなかったけど、今ならわかる気がする。


でもあの時からずっと、秀哉の方が恵美に対しての想いが強かったんだなって」



そんなの全然…聞いたことがなかった。



じゃあ楠木は、中学の時から私のことをそこまで考えてくれてたってことでしょ…?



さすがに真っ直ぐすぎるよ。
引退試合を捨てようとするなんて、バカだ。



「俺たちも必死だったな。
秀哉がいないと無理だって。


その時すごく言い合って、騒いで。
先生も仲間も必死で説得。


最後は秀哉が折れてくれたけど、俺の方すごく睨んできてさ。睨まれた意味も今になってわかったなんて遅すぎるよな」



斗真が苦笑する。
そしてゆっくりと、私の頬に触れる手を離した。