「俺と出会ってくれてありがとう。
そばにいてくれてありがとう。
俺の方が、恵美に支えられてた」
“ありがとう”の言葉に、その優しい笑顔は私を温かい気持ちにさせた。
なのにまた、泣きそうになる。
「……あー、やっぱ悔しいなー…秀哉には敵わないんだな…」
「……え?」
でも、斗真の口から楠木の名前が突然出てきてドキッとしてしまう。
「秀哉は誰よりもいい男だよ。
真っ直ぐで、揺らがない。
恵美は知らないと思うけど、あいつ中学の大事な引退試合の前に『試合に出ない』って言い出したんだ」
「…え……楠木、が…?」
初めて聞くことだ。
だって男子バスケの方はいいところまでいったって聞いてたから。



