冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




「……恵美…」



「過去のことはもう…“いい思い出”として括ろう?
中学の時、本気で斗真が好きだった。


私の方が斗真からたくさんもらうものがあったよ。
いつだって私の心の支えは…斗真だったから」



いい思い出さえも、私は苦しい過去として捉えてたんだ。



苦しさには勝てなかったんだ。



ただ、今はもう…大丈夫だから。



前に進もうって思えてる。
斗真と付き合えたこと、本当に良かったって思えてる。



「……俺は、こんな素敵な子を手放したんだな…」



すると斗真が私との距離を開け、もう一度頬に手を添えてきた。



涙が落ち着いた私の目に、はっきりと斗真の表情が映る。



悲しげな目。
斗真の瞳はやっぱり潤んでいる。



だけどそんな潤んだ目を細めて…斗真は優しく笑った。