「恵美…」
「お願い、斗真。
斗真は何も悪くないから…」
涙が止まらなくて、最後は訴えるような形になってしまった。
すると斗真は苦しそうに顔を歪めたかと思うと、私の背中に手をまわしてそっと引き寄せた。
すっぽりと斗真の腕の中にはまる。
懐かしい、斗真の匂いがふわりと漂う。
抱きしめられるのなんて、いつぶりだろう。
ただ、どうすればいいのかわからなくて戸惑ってしまう私。
「……ごめん、今だけ許して。
本当はまだ俺、全然恵美のこと吹っ切れてない。
今でもずっと、恵美が好きだ。
けど恵美の隣にいるのはもう…俺じゃないから」
ぎゅっと、抱きしめる力を強める斗真。
俺じゃない。
それはきっと、楠木のことを指している。
斗真にはもう、バレバレなようだ。



