冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




「……わかった」



すると楠木から肯定の言葉が返ってきて、安心した。



「ありが……」



そしてお礼を言おうとしたら、その前に楠木に抱きしめられてしまう。



幸いそこはあまり人がいない場所だったけど、何人か人は通っている。



だけど楠木は、人目も気にせず力強く私を抱きしめた。



「……くす、き…?」



少しの間大人しくしつつ、彼の名前を呼べばようやく離された。



「……悪い、じゃあまた後でな」



最後に見た楠木の笑顔は、どこかぎこちない様子だったからきっと私が斗真にいくんじゃないかって思ってるのかもしれない。



だけど、私の心はもう完全にあんたに向いてるよ。



なんて今は言えないけど、必ず後で言おうって思ったんだ。