「あっ、お兄ちゃん!」
悠真くんが私から視線を前へと向けた。
「今終わったところなのか?」
「うん、そうだよ!」
やっぱりその声は、私の知っている声。
私も悠真くんのように前を向こうと、ゆっくり視線を移し替えれば……。
「……っ」
まるで時が止まったかのように、体が嘘みたいに固まってしまった。
「……めぐ…み…?
なんで…」
確かに目の前には斗真がいた。
今日は前とは違って私服だったけど、変わらない斗真の姿だった。
「あれ?二人とも知り合いなの?
今日このお姉ちゃんと一緒にバスケやったんだよ!」
何も知らない悠真くんは無邪気に笑う。
そんな悠真くんのおかげで、少しだけ気分が楽になる。



