「怪我して、引退試合に間に合わなくて辞めちゃったの。そこからずっと逃げててね、嫌いだった。
……悠真くんはどうして?」
私が先に話してから、悠真くんに聞き返す。
すると心を許してくれたのか、ゆっくりと話してくれた。
「……お兄ちゃんと、比べられるから…」
「お兄さん、いるんだね」
比べられるってことは、きっとお兄さんはすごい人なんだろう。
「うん、すごい人だよ。
推薦でね、バスケの強い高校行ったんだ。
そこでも目立ってるって、お母さん言ってた。
でも、お兄ちゃんがすごいほど『なんでこんなのもお前はできないんだ。お兄さんならできてた』って、よく言われるようになって。
それが辛くて、比べられるのが嫌なんだ」
最後の方は声が震えていた悠真くん。
相当、辛い思いをしたんだ。
今の言葉は重い。
それも、まだ未来のある子供があんなひどい言葉をぶつけられたんだ。



