冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




ーーー放課後。



こういう時に限って放課後が早く訪れてしまう。



今日の仕事は、文化祭のしおり閉じらしい。



文化祭まで一ヶ月を切った今、これからもっと忙しくなりそうだった。



「じゃあこれ、よろしくな」



ホームルームが終わると、私が職員室にプリントを取りに行った。



意外と量があって驚く。



「……はぁ…」



そのプリントを抱え、ため息をつきながら教室へと戻る。



足が重い。
だって教室に戻れば楠木が……。



「……あ…」
「お前、先行くんなら言えよ」



だけど教室に戻る前に、楠木が私の元へとやってきた。



廊下の向かい側から楠木が歩いてきたのだ。