「なら良かった。
あのね、さっき担任の先生と会ったんだけど…」
“担任の先生”という言葉に何故だか嫌な予感がした。
そしてそれは的中してしまうもので。
「今日からまた、文化祭委員の仕事があるから放課後残ってくれだって。
ごめんね、手伝ってあげたいけど今日は無理なんだ。明日からは手伝うね!」
タイミングが悪いなと素直に思った。
だって今、楠木と二人だなんて無理だ。
しかも昨日の今日で。
「……恵美ちゃん…?」
「あっ、うん…わかった。陽菜、いつもありがとう」
なんとか笑顔で返し、その場を乗り切るけど放課後はそんなことで乗り切れない。
陽菜が次の授業の準備で席に戻り、ふと楠木の席を見れば、彼は自分の席に座っていた。
いつの間に来ていたんだろう。