冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




ガンッと音が鳴って、シュートを決められることなくボールが床へと落ちた。



ボールが跳ねる音が、やけに体育館に響く。



「お姉ちゃん……」



ふと、私を見ていた二人を見れば、ひどく悲しげに私を見つめていて。



「どうしたの…?」



シュートを決められなかった私を、気の毒に思っているのかと一瞬思ってしまった。



「……お姉ちゃん、何か悲しいの…?」
「……え…?」



「だって、お姉ちゃん、泣いてる…」



言われて初めて気がついた。
自分が泣いていることに。



そして…指先が、小刻みに震えていることに。