「ああ、俺の恋人です」
そして楠木よ、どうしてそんなさらっと言えるんだ。
「え…楠木にもついに花咲いたか!
いやぁおめでたい!
こんな綺麗な女の子捕まえて…」
そして先生が騒ぎ出すから、周りの視線が集まる。
いや、気まずいんだけど。
何してくれてるんだ楠木は。
「そんなの俺が一番わかってます」
そんな先生の反応に対し、楠木は誇らしげに笑って私の方を見た。
「田城、こっち。
ボール飛んできたら危ないから気をつけろよ」
いや、そんなの言われなくてもわかってますけど?
なんて言い返すのも面倒くさいため、頷いて大人しく隅の方に座る。
「秀にい早く!」
「あれ?お姉ちゃんはやらないの?」
コートの真ん中で、私たちを見る亜紀ちゃんと隆盛くん。



