冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




そこで我に返ると、心配そうに二人が私を見つめていた。



「お姉ちゃん、大丈夫…?」
「何かあったの?」



子供って本当に感情を読み取るのが上手い。



慌てて笑顔を浮かべる。



「なんでもないよ。
バスケ、してるんだね」



「うん!秀にいね、本当に上手なんだよ!」



知ってる。
素質もあるし、才能だってあるし。



努力を怠らない、そんな楠木は本当にすごかった。



「すっごい人気者なんだぞ!
秀哉、いつも注目の的だ。


俺の母ちゃんも、秀哉イケメンで惚れてるんだからな」



「ははっ、なんだよそれ、初めて聞く」



「亜紀のお母さんも、秀にいを彼氏にしたいって言ってた!お父さんがいるのにね」



亜紀ちゃんはそう言って楠木にぎゅっと抱きついた。



「私も秀にいが大好き。
抱っこして!」



「あー!ずるいぞ亜紀、俺も!」



「お前らもう小学生なんだぞ?
恥ずかしくねぇのか?」



「「全然!」」



どうやら相当楠木のことが好きみたいで、思わず笑みがこぼれてしまう。