私が質問をしようとしなけど、その前に亜紀ちゃんが口を開いた。
「ねぇねぇ、お姉ちゃんも今からバスケ一緒にするの?」
「……えっ…?」
バスケというワードに過剰に反応してしまう私。
バスケ、一緒にする?
どういうこと?
訳がわからなくて、返答に困っていると今度は隆盛くんが口を開く。
「今から俺たちバスケしに行くんだ!
一週間にに一回か二回あるんだけど、秀哉に教えてもらうんだぜ!」
ドクンと、心臓が嫌な音を立てる。
つまり、それってまだ…楠木はバスケと関わっているってことだ。
完全に、捨てたわけじゃない。
未練が…ある?
もし、そうだとしたら。
私のせいで、私がいるから…楠木はバスケを捨てたのだと。
私が楠木からバスケを奪ったのだと。
確かにそうだ。
今ここに楠木がいるのは、私のためであって……。
「田城」
その時。
はっきりとした口調で私の名前を楠木が呼んだ。



