だけど子供の前だ、いつもみたいに言い返せない。
「綺麗なお姉ちゃん、秀哉の未来のお嫁さんなんだな!お似合いだ!」
「お似合いだねぇ!」
だけどこの二人の笑顔を見ると、一瞬で苛立ちなんて吹っ飛んでしまう。
子供って恐ろしい。
「二人は楠木の妹と弟なの?」
私も楠木と同じように屈んで、二人に質問する。
お嫁さんの話からそらすためっていうのもあるけど、気になったから聞いてみた。
「くすき…?」
「くす…き?」
あれ、違うのかな。
どうやら楠木の苗字に聞き覚えがない様子。
「あっ、秀哉の上の名前か!」
「そーなの?くすきって言うんだね!
違うよ、秀にいの妹になりたいけどね、亜紀たちは兄妹じゃないよ」
楠木の妹になりたいとか可愛すぎか。
ダメだこれ、新たな癒しかも。
なんて気持ち悪いことを考えつつ。
今度は、じゃあどうしてこれほど親しいのか気になった。



