「お姉ちゃんは、秀にいの、お嫁さんですか?」
あっ、ダメ。
可愛すぎて無理だ。
首を傾げて上目遣いをしてくる女の子。
何この子本当に可愛すぎる。
「わかった!
秀哉の言ってた“好きな女”って人だ!」
「えっ…?」
男の子が思い出したように話し、同じように目を輝かせる。
今この子はなんて…。
「亜紀、隆盛(りゅうせい)、いらねぇこと話しすぎ」
ふと楠木を見れば、二人に視線を合わせるように屈んでいたけど、どこか頬が赤いような気がする。
もしかして…照れてる?
「だって秀にいのお嫁さん…!」
「違う、“未来の”お嫁さんな」
「……っ!?」
楠木は微笑みながらそう言って、亜紀と呼んだ女の子の頭を撫でる。
こいつ…なんてことを子供に吹き込むんだ。



