冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




「あー!秀哉やっと帰ってきたぞ!」



「遅いよ秀にい、亜紀(あき)たち待ちくたびれちゃった」



二人はそう叫ぶように言い、楠木の元へ駆け寄った。



「悪い、遅くなって」



「うんっ、大丈夫だよ!」
「秀哉、この綺麗なお姉さんは誰?」



嬉しそうに笑顔を浮かべる女の子と、私に興味を向けた男の子。



その二人はリュックを背負っていて、中に荷物が入っているようだ。



「手つないでるから、もしかして秀にいって結婚してるの!?」



手をつないでるから結婚してると解釈した女の子の目は、キラキラと輝いていて今度は私を見つめてきた。



か、可愛い…!
そのキラキラと輝いた目。



陽菜に似ている…本当に天使だ。



抱きしめたい衝動に駆られるけど、会って早々引かれるのは嫌だったから我慢する。