冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




「あんたってなんでそこまで強引なの?」
「お前が嫌がるからだろ」



「…いつか捕まればいいのに」
「照れてる奴がよく言うな」



私の全てを見透かすようにして笑い、先に駅へと降りる楠木。



私も後に続くけど、恥ずかしくてならない。



そうだ。
何を言い返そうが、結局照れてる私が負けなのだ。



この事実は変わらなくて諦める。



二人で並んで歩く帰り道。
手はつながれてないため、やり場に困る。



今は人が全然いないから、逆に手をつながれてもいいのに。



なんて一人で考えて、はっと我に返って、熱くなる顔。



本当に何考えてるんだ私…!



一人で焦っていると、隣から視線を感じる。
お願いだから何も聞かないで。



そんな私の気持ちが伝わったのか、わからないけどそっとしておいてくれた。



優しいのか意地悪なのか、これこそわからなくなってしまうけど、ほっと胸を撫でおろした。