冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。





そして瞬く間に私たちが付き合ってしまったという情報は、学校中に広がった。



噂って本当に怖い。
私から告ったというガセ情報まで流れる始末。



今日は始業式で午前中までしか学校がなかったっていうのに、廊下を歩く時の視線が朝よりすごかった。



ていうか、そもそも…。



「何で楠木と帰らないといけないわけ!?」
「何でって、俺が一緒に帰りたいから」



平然と言う楠木だけど、その言葉に周りはざわざわと騒ぎ出してしまう。



そう。



さっき、教室で帰る準備をしていたら楠木が私の席に来て「帰るぞ」と言われたのだ。



もちろん断ろうと思ったけど、陽菜がキラキラした目で私たちを見ていたから断ろうにも断れず。



陽菜に弱い私をどうにかしてほしい、なんてもしかしたらただの言い訳なのかもしれないけど、気づいてないフリをする。



嫌じゃないから断らなかった、という事実に。