私…楠木の彼女になったんだった。
驚きのあまり楠木の顔を見上げる。
「……なんだよ、まさか忘れてたとか言わねぇよな?」
途端に不機嫌な声と表情になる楠木。
わかりやすい…明らかに態度が変わった。
こいつ、ポーカーフェイスのはずなのに。
「忘れてたに決まってんでしょ。
最悪だ……ねぇ、絶対学校では言わないで…きゃっ!?」
急いで楠木から離れようとすれば、今度は腰に手をまわされて引き寄せられてしまう。
ぐっと距離が近くなり、落ち着いたはずの鼓動がまた速くなった。
「……離して」
「無理、忘れたとか絶対許さねぇから」
「これぐらいで怒るとか子供か!」
「なら子供でいい」
「なっ…」
どうやら相当怒ったようだ。
離すどころか、抱きしめられる力がどんどん強くなる。
完全に逃げられなくなってしまった。



