こんな自分が醜くて嫌なのに。



どうして楠木はこんな私のためにそこまでしてくれるの?



涙を隠すように俯きながら、私は斗真の横を通る。



呼び止められることはなかった。
私も振り向こうとは思わなかった。



できればこれでもう終わりたい。
斗真と会うのは、これを最後にしたい。



ただ、斗真に向けて伝えたいことはあった。
それは斗真に対しての想い。



許す、許さないとかそういうことは関係なしに。



私は、好きだった。
大好きだったよ、斗真のこと。



いつもバスケばっかに夢中で、斗真のことを気にかけてなかったなんて嘘だ。



斗真が隣にいて、そんな中でバスケをして。
だからずっと楽しかったんだと思う。



スランプとか、辛いことを乗り越えられたんだと思う。



斗真がいなかったら私、あそこまでバスケを楽しいと思えなかったよって。



言葉にできないけど、どうか心の中で呟くことをどうか許してほしい。