「…斗真、お前さ。
今更こいつと何話したいんだよ?」



まるで、斗真を責めるような、厳しい言い方をする楠木。



「もしかして謝りたいとか思ってるわけねぇよな?」



私がさっき思っていたことを楠木が言うものだから、思わずドクンと心臓が音を立てた。



なんだろう…この感じ。
もしかして楠木は、私の代わりに言ってくれてるの?



そんなのダメだ。
だって斗真と楠木は中学時代、ずっと仲が良かった。



学校生活でも、お互いバスケのことを話したり、一緒に行動したりして。



笑い合ったりしてるのをよく目にしていた。
それぐらい、仲が良かったのに。



それも全部、私のせいで壊してしまうことになるんじゃないかって思ったら怖くて、嫌だったけど。



『やめて』と。
『もういいから』って、どうして私は言えないの…?



このままじゃないと、手遅れになってしまう。
じわりと目に涙が浮かび、それが頬を伝った。