「……恵美、あのさ」
「ご、ごめん…!二人の邪魔、しちゃったよね」
慌てて顔を上げ、無理矢理笑う。
その私の笑顔が酷かったのか、隣にいた女の子が怪訝そうな顔をした。
「斗真くん。
この子が斗真くんの言ってた恵美って子?」
そして今度は睨むように見つめてくる。
その瞳には憎しみなどが込められているような気がした。
この子は、私のことを知っている。
つまりそれは……斗真が、話したことになる。
どんな風に?
斗真は私のこと、どう思ってるの?
「……そうだよ」
「じゃあこの子が…」
「氷室(ひむろ)さん。
それ以上は何も言わないでほしい」
氷室さんと呼ばれた女の子は、何かを言おうとしたけどそれを斗真によって遮られた。
「でも…」
そんな斗真の言葉に、どこか不満気な顔をするけど何も言わずにまた私を見つめてきた。
その視線は強い。
斗真のことが好きなのだとすぐにわかった。



