冷たい彼の溺愛は、2人きりのときに。




ーーーそれから少ししてようやく落ち着ついた私。



だけど、こんな子供みたいに泣きついてたのが恥ずかしくなってしまったから、中々楠木から離れられない。



いや、普通に楠木の顔なんて見れない。



「……田城?」



名前を呼ばれ、思わずビクッと肩が震えてしまう。



「どうした?」



何かあったのかと勘違いしたのだろう、楠木が心配そうに声をかけてきた。



「な、なんでもない…けど…」
「けど?」



「その…恥ずかしくて、楠木の顔見れない…」



ぎゅっと、楠木の服を掴む手に力が入る。
もちろん楠木からの返答はなく。



そりゃそうだよね。
あんなこと言われても困るだけだ。



また何か言った方がいいかなと一人、考えていると、突然楠木に体を引き剥がされる。



驚いたけど、声を出す時間もなく気づけば楠木に唇を塞がれていた。